業務案内

予防保全

概要

予防保全とは、老朽化の進行した施設が致命的な機能低下に陥る前に、必要な補修や補強などの対策を行うことを指します。

農業水利施設の更新

我が国では、昭和24(1949)年に土地改良法が制定されて以降、大規模な水源開発や取水堰、用排水路、用排水機場の建設、また管理施設の造成などが行われ、基幹的な農業水利施設が膨大な資産を形成しています。これらの施設は、農業生産の基盤であるばかりでなく、地下水のかん養や湛水被害の軽減、地域用水として農村の景観を形成し生態系を保全するなど、生活に密着した多面的機能を発揮しています。

しかし、これら基幹的な農業水利施設は、戦後~高度経済成長期に集中的な整備が行われた経緯から、順次老朽化が進行し更新が必要な時期を迎える施設が増加しています。一方で、現在の我が国は、地方を含めて厳しい財政状況下にあります。このため、施設の劣化が致命的な状況になる以前に、適切な補習や補強等の対策を講ずる予防保全への取り組みが求められています。

事業の効用

予防保全では「ストックマネジメント」への取り組みにより、「ライフサイクルコスト(LCC)」を低減させることが出来ます。また、施設の突発的な事故を抑止する効果も期待できます。

ストックマネジメントとは・・
 施設の機能診断に基づく機能保全対策の実施を通じて、既存施設の有効利用や長寿命化を図り、ライフサイクルコスト(LCC)を低減させるための技術体系及び管理手法を指します。

ライフサイクルコスト(LCC)とは・・
 構造物を建設するための調査・測量・設計・建設費用などの初期投資(イニシャルコスト)と、建設後における点検・保全・修繕・改善費などの運営管理費(ランニングコスト)、及び解体処分までの「建物の生涯に必要な総費用」のことを意味します。

予防保全の設計例

当社では、過年度において国営地区の予防保全を含む既設用排水路の測量・調査および改修設計に関する複数の業務を担当した実績を有しています。

国営S地区における業務事例では、昭和40年代に建設された基幹的用水路施設の改修(L=1.9km)に伴い、改修水準を決定するため、施設の老朽化度合いを機能調査しました。

開水路は1バレル毎に、機能調査項目に基づいた調査を行い、写真を撮影するとともに調査票を作成し、健全度評価(S1~S5)を判断しました。その結果、大部分の区間(L=1.7km)については全面改修となりましたが、一部区間(L=0.2km)では、補修もしくは補強工法による部分改修とし、施設の長寿命化とライフサイクルコスト(LCC)の低減を図りました。

  • 機能診断フロー

  • シュミットハンマー調査

  • コンクリートテスター調査

  • 側壁傾倒調査

  • 材料劣化調査(骨材露出)