INTERVIEW
技術部 次長(測量) 吉岡 賢一
1989年入社 / 旭川本社
知人の紹介でアルバイトをしたのが縁。
そこから測量を学ぶことに。
測量士を志したきっかけは。
最初から測量に興味があったわけではありませんでした。高校を卒業後他社の事務職に就きましたが、手に職を付けたいと思うようになり当社でアルバイトを始めたんです。そこで働きながら専門学校に通わせてもらい、「測量士補」の資格を取得した時点で正社員に。そして実務経験を積んで、「測量士」になることができました。私は中途採用ということもあってアルバイトから入りましたが、新卒採用の後輩たちはみんな、正社員として採用後に専門学校に通わせてもらう形で測量士補を取得しています。測量士の資格がないと、公共測量では作業規定により責任者になれません。
今は部下が4人、といっても3人はベテラン主任技師。ひとり中途採用で20代の技師補がいます。彼が早く現場をこなせるよう、広く経験を積ませているところ。どんどん現場に行って観測技術を身に付け、測量技術者の主軸として活躍してもらいたいと思っています。彼は今、測量士補試験にも挑戦していますし、頑張ってほしいです。
いつも現場を動かしていたい。自分の頭のためにも(笑)。
今取り掛かっているのはどんな仕事ですか?
今日の作業は、上川管内の農地再編整備事業に係る換地測量。換地というのは、「ほ場整備」などを通じて農地等を面的に再編整備する場合、土地利用の様態が大きく変わるため、事業地区内の現況における地籍界や地番等を一括で振り替えることを意味します。始めに、既往の資料を調査したり現地の境界杭を探して測量しながら、CADで図面をつくります。図面ができたら地権者さんに立ち会いをお願いし、位置を確認してもらい承諾を得て、境界杭を打ち込む。そんな地道な作業です。測量の業務は目的によっていろいろありますが、まずは地権者さんへの挨拶。一軒一軒回ったり、遠方の場合は手紙を書いたり。道路敷地などの買収に係る用地測量では、地権者が大勢いるので、発注者である官公庁の職員と連携しながら意見をまとめるのも仕事です。数年かかることもありますから、そうした業務が無事に完了したときはほっとします。測量は設計や工事を行ううえの“とっかかり”ですから、関わったことを誇りに感じます。
若い人は、先輩や上司に何でも聞いて自分のものにする力を。
測量を目指す若者に何を期待しますか?
当社の測量技術者の部署は、2020年に旭川本社へ統合されるまで士別支店にありました。近年は測量技術者のなり手不足が課題で、地方ほど深刻です。当社でも測量担当者が不足しており、ボリューム的に余してしまう分を外部委託しているのが実情。しかし社内のひとりひとりがスキルを磨き、できるだけ社内でこなせる体制を確立したい。道北の中心都市である旭川の本社に統合されたので、測量に興味を持ってくれる若い人が当社に来てくれることを期待しています。若い人たちには、「なんでも経験してみたい、たくさん知りたい」という意欲を持ってもらいたいです。僕らベテランが、言葉はやさしくないかも知れないけれど(笑)ていねいにしっかり教えて育てますから。
今、測量はUAV(ドローン)の導入や3次元設計に対応した測量の実施など、大きな変革期にあります。私もこの3年ほど、通常の測量作業に加え、GIS(地理情報システム)による地区管理資料作成業務などを担当しており、日々勉強です。これからの測量は、UAVや地上レーザースキャナ機器の導入により、どんどん現地での作業が自動化・省力化されるとともに、測量データを処理するデスクワークの比重が高くなっていくはず。決して華やかな職種じゃないけれど、設計技術者のように運動不足になることはないし(笑)、その性状を正確に捉えることが難しい「土」を相手にする設計と違い、測量は「数学」を相手にするのできっちり仕事を済ませられれば”あと腐れ”が生じないことも魅力だと感じます。