INTERVIEW

技術部 主任技師(設計) 五十嵐 航

2003年入社 / 旭川本社

根釧地域の「肥培かんがい業務」を担当。月1回は出張も。

今はどんな仕事を手掛けていますか?

今描いているのは「肥培かんがい」の設計図。牛舎からのふん尿を堆肥化させて牧草地に還元する施設で、これにより牧草が育ちやすい環境を、化学肥料をなるべく使わない方法で整備することに繋がります。農家さんの意向を踏まえて、地形条件や地質条件等で適地を選定し設計を進めます。こうして整備しておけば、環境への負荷が低減されますし、農家さんも安心して後継者に引き継いでゆけます。積雪期に貯留するための直径30m級の配水調整槽など、大規模な施設群を整備する事業ですが、北海道では珍しくありません。

僕はこうした設計業務を年に2本担当するのですが、発注者や農家さんといろいろな面で調整が必要です。たとえばこの配水調整槽の配置は、水が集まる集水地形だと工事後に浮上事故の発生リスクが生じるので、出来る限り避けなければなりませんし、農家さんの希望もあります。もうひとつの担当業務も根室で、用水路パイプラインの設計。設計は5月から翌年2月くらいまでかかり、作業期間は約1年です。ひとりで担当していますが、工期が長いぶん休みは計画的に取れるので辛さはありません。

この仕事のやりがいは、難しいところ(笑)。たとえば工事で扱う土の量を「土工量」というのですが、これを少なくすると予算が抑えられます。できるだけ建設コストを抑えられるようにして工夫するのが面白い。それと、完成した施設を見るとモチベーションも上がります。特に農家さんに「便利になった」と言われると、やってよかったなと思いますね。

野球部で鍛えられた「めげない、悩まない」性格。

責任ある立場になって、感じていることはありますか?

大学卒業と同時に入社しました。4年目までは技師補として先輩技術者の指示でパーツ毎の作業をこなしながら基礎を叩き込まれます。5年目からは技師として先輩技術者のサポートを受けつつ業務を受け持ち、そして10年目には主任技師になって年1~2本の業務をひとりで担当するのです。

失敗は…、できないですね。仕事の進捗状況により負荷が大きくなる場合には、構造計算などを協力会社に外注することもありますが、チェックするのは自分です。最初の頃は、設計基準書を読みながら設計図を描き、先輩技術者にチェックしてもらいました。怒られましたねぇ(笑)。でもめげない性格で、先輩は仕事に厳しいだけだとわかっていました。だからプライベートでは仲良くして距離を詰めておくんです。小学校から大学までずっと野球部に所属していて、守備はレフト、高校ではキャプテンでした。その中で鍛えられたのがよかったんだと思います。ちなみに、その先輩は年齢のせいか、すっかり丸くなったので、自分の時のように怒られることはないと思います(笑)。

冬期は残業がありますが、基本みんなで助け合う。

充実した毎日を過ごす中で、次の目標があるとか。

11月から2月くらいまでは忙しい時期なので残業もありますが、終わった人が終わってない人を手伝う仕組みなので、ほとんど夜8時半までには終わります。土日祝休みでスケジュールがつくりやすいし、給料も不満ありません(ホントです(笑))。社員旅行や忘年会など楽しい企画もあります。意見を言いやすい会社で、僕も気が付いたことはなんでも言っていますね。

将来は───。僕は肥培かんがいは自信があるのですが、ほかはまだ経験も実力も少ない。肥培かんがいの設計業務であっても1件1件難易度も規模も違います。まだ実力不足だと思うので、全体的に知識と技術を身につけて幅広く担当できるようになりたい。農業土木技術管理士、畑地かんがい技師、技術士補の資格は持っているので、次は農業部門の技術士を取ります。難しいけど最終的に必要なものだし、資格手当も付きますしね(笑)。

若い社員は静かで真面目な人が多い。もっと上昇志向があってもいいと思います。最初はわからなくて当然なんだから、どんどん話しかけて聞いてきてほしい。いつも話しやすい上司でいられるよう心がけています。