INTERVIEW
技術部 技師(設計) 加藤 範大
2016年入社 / 札幌支店
主任技師のもとで設計業務と数量計算業務に従事。
今はどんな仕事をしていますか?
今担当しているのは、「ほ場整備」です。水田の区画の見直しや水路の整備、暗渠排水工といって土中に排水管を埋めて水捌けをよくする工事などの図面をつくります。たとえば田んぼ4枚をまとめて1枚にすると、機械を入れて一度に作業ができて効率が上がります。農地の価値が上がって転売しやすくなり、農業の新しい担い手にとっても好都合なのです。先輩技術者の指示のもとでパーツごとの作業をしていますが、
私がほぼひとりで行っているのが、工事費の積算を行う「数量計算」業務です。官公庁が工事を発注する際は数社で入札が行われますが、そのときの予定工事価格の基になります。設計業務で作成された材料計算書をチェックし、
大学は農業経済から工学へ転向したので、
入社して両方の勉強が生かせた気がします。
入社から今までを振り返って、苦心していること、逆に楽しいのはどんなとき?
入社した頃の仕事は、大まかに描かれた図面にCADを使って肉付けし、見本を参考に詳細を整える作業でした。ひとり立ちまでは3年くらいでしょうか。今は本棚の設計基準書と引き合わせながら自分で想像して工夫することも多くなりました。設計業務の前段には必ず現場を確認しに行きます。農地なので広いことも多いのですが、一通り歩いて確かめるんです。現地を見ずに設計図を作っても絵に描いた餅になりますからね。そして発注者である官公庁の職員や農家さんと話し合いながら、どのルートで水路を引くのが水理的、経済性に優れているのか比較検討したうえで提案しています。用排水路は通称「線もの」と呼ぶのですが、水を通す管にも種類があり、経済性だけでなく管理や点検のしやすさ、地質の適合性などを考慮して選ばなければなりません。
迷うこともあります。設計基準書には一通りのことが書かれていますが、すべて親切丁寧に網羅されている訳ではありませんし、現地の地形や地質、気象条件等によっても考え方を変えていく必要がありますので、経験豊富な先輩技術者に相談しながら進めています。
喜びを感じるのは、こうして完成したほ場を見たときでしょうか。僕らがつくる設計図は2次元。それが「こうなるんだ!」と(笑)。
2Dから3Dになって、農家さんにも説明しやすく。
3D-CADの活用など時代も変化していますね。
いまの面白い変化は、3Dの導入で新しいことができるようになっていること。受け取る資料が3Dだと格段にわかりやすいし農家さんへの説明もしやすいんですね。僕も好きな分野なので、早く使いこなせるようになりたいです。もうひとつの目標は技術士資格の取得です。難度が高いわりに必須の国家資格で、担当技術者がこれを持っていないと入札時に差がついてしまうんです。
後輩になる人に伝えたいのは、農業土木は実は最新テクノロジーを駆使する面白い仕事だということ。この会社はとても安定していますし、もちろん残業など大変なときもあるけれどやりがいがあります。なんといっても「Google マップに載る仕事」ですから(笑)。